日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年12月14日面接で気をつけるべき話し方とは?


★就活生Kさんの話


ベーシックコースでは、受講生の個別のご相談にも応じてアドバイスを行っています。

先日、就職活動を控えた大学3年生の受講生Kさんから、就職面接について相談されました。

早速、簡単に模擬面接をしてみました。

私:どういう仕事に就きたいですか?
K:経営にかかわる仕事がしたいと思っています。
私:なぜ経営にかかわる仕事がしたいのですか?
K:私は常に目的、目標、手段を意識しています。経営はそれら全部を必要としていると思うからです。
私:ん~。では、どういう働き方をしたいですか?
K:海外を飛び回り、常にステータスを感じながら仕事がしたいと思っています。
私:Kさんがステータスを感じる要素は何ですか?
K:ん~・・・。人にすごいと思われることでしょうか。

Kさんはインターンシップの採用面接で最終面接には進めるのですが、なかなか合格しませんでした。

上の模擬面接を終えた後、話を聞いてみると

「面接官の質問への答えは頭に浮かぶのですが、それをうまく整理して話せないんです」

とのこと。

  • 言いたいことを整理して、結論から端的に話せるようになりたい

  • どんな質問にも適切に回答できるようになりたい

  • 相手がイメージできるように具体的に話せるようになりたい


というご要望でした。


★Kさんの改善点


模擬面接をしてみて、Kさんの改善点が幾つか見えてきました。

一度に沢山のことを言っても混乱させてしまいますので、Kさんには2つだけ改善をお願いしました。

 

★具体的に話す


1つ目は、より具体的に話すことをお願いしました。

多くの就活生の方にありがちなことですが、Kさんの答えも抽象的で具体性に欠けています。

『目的や目標を意識している』から『経営に携わりたい』と思っている、とのことですが、私には両者の結びつきが今一つしっくりきません。

また、次のこともイメージしにくい答えでした。

  • なぜステータスを感じながら働きたいのか

  • そもそもKさんにとってステータスとはどういうものなのか

  • 人にすごいと思われるとは具体的にどういうイメージなのか

  • なぜすごいと思われたいのか


これらの疑問が次々に湧いてきます。

このため答えを聞いた人が、何となく言っていることはわかるものの、なるほど、と納得・共感できる答えになっていないのです。

 

例えば、

「私は小学生の頃から、人に認められたい、人から注目されたい、という願望を強く持っています。人から注目されるととても気持ちがいいのです。人から注目されるという点で、経営者には憧れを感じています」

などと言えば、上の応答よりは面接官に具体的なイメージが伝わるでしょう。

 

 



★話に気持ちを込める


2つ目は、話に気持ちに込めることをお願いしました。

Kさんは私の質問に、感情を表に出さずに淡々と答えていました。

私:Kさんの話を聞くと、考えていることはわかってくるけど気持ちは伝わってこないですね。
K:はい。できるだけ感情は抑えて話すようにしているんです。
私:えっ!それはどうしてですか?
K:私の話を理解してもらえる様、できるだけ論理的に話したいと思っています。なので感情は抑えています。
私:・・・Kさん、それはちょっと違うかも知れませんよ。

Kさんは論理的にはなすために感情を抑えている、と言っていました。

しかし、私は理屈やロジック、論理は人の心を動かすために使うものだと思っています。

なぜならば、人は判断したり納得したりする際に、必ず感情が動くからです。

従って、理屈では理解できていても感情的に納得できない場合、人はその理屈に納得することはまずありません。

例えば、オーナー社長が会社の業績が思わしくなく、ある土地を売却しなければ倒産してしまうという場合に、その理屈はわかっていても、その土地への思い入れがとても強いために土地を売るくらいなら倒産した方がマシだ、と売却に頑として応じないことも現実にあります。

また、会社がその人を採用するかしないか判断する際、この人と一緒に働きたいと思うか、ということを最も重視する、という採用担当者はとても多いです。

人間は良くも悪くも感情の動物だということです。

 

従って、採用面接でも適切に感情を表すことで面接者に人柄をわかってもらえますし、話しに共感してもらいやすくなります。

幸い、Kさんは私の話を理解したようで、「感情豊かに話をしないといけないんですね」と言ってくださいました。

その後、何度かプライベートレッスンを行う中で、Kさんは考えていることを具体的に整理できましたし、感情を込めた音調で話すようになってくれました。

一連のレッスン終了後、しばらくしてから、インターンシップにも合格できるようになった、と嬉しい報告もいただきました。


★面接準備にご活用ください!


今回ご紹介したように、日本話し方センターのベーシックコースには、多くの就活生の方が受講されています。

このコースでは、あらゆる話す場面で活用できる話し方やコミュニケーションのスキルを網羅的にお伝えしています。

それらは面接でも存分に活かせるものばかりです。

また、講師は、受講生一人ひとりの話し方の状況やクセを見極め、それらを改善する方法を具体的にご指導しています。

受講後、ほとんどの方が見事に内定を勝ち取られています。

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